女の子の健やかな成長を願う日本の「ひな祭り」
ライター Tonchan
2021.2.20 (Re:2022.2.24)
女子の健やかな成長を願い、3月3日に行われる、ひな祭り。五節句の1つで、桃の花が咲く季節のため「桃の節句」とも言われます。厄災の身代わりになる人形を飾り、「ハマグリのお吸い物」や「菱餅」、「ひなあられ」、「ちらし寿司」などを食し、健康で過ごせるようお祝いをします。
■目次
1. ひな祭りの始まり
ひな祭りは、中国で行われていた「上巳(じょうし)の節句」が日本に伝わってきて、時代とともに変化してきました。
上巳の節句は五節句の一つで、旧暦の三月三日に春を寿ぎ、無病息災を願う厄祓いの行事でした。紙や草で作った人形(ひとがた)で自分の体をなで、穢れを移し、川や海へ流していました。現在でも一部地域でみられる「流し雛」は、この名残と言われています。
元来、上巳の節句は男女の区別のないものでしたが、武家社会に広がると、3月3日が女の子の節句となり、5月5日の端午の節句を男の子の節句として、別々に祝うようになったようです。
2. 雛人形
雛人形は平安時代の幼い女の子の遊び道具の一つで、京の貴族階級の子女が御所(天皇の住まい)を真似た御殿や飾り付けで遊び、「健康と厄除(厄払い)」を願っていたと言われています。江戸時代には公家の女性が武家へお輿入れする際に嫁入り道具の1つとなりました。その後、武家や町民にも浸透し、その後は庶民も雛人形を楽しむようになりました。
3. 雛料理
ひな祭りに用意される決まった食べ物があります。地域によって異なりますが、定番のものをご紹介します。
4. ハマグリのお吸い物
2月〜4月が旬のハマグリの貝殻は、平安時代から女の子の遊びである「貝合わせ」に使われていました。もともと対(つい)でないと合わさらない貝殻を夫婦に例え、女子が将来結婚して幸せに暮らすようにという意味を込めて食しました。
5. 菱餅
植物のひし(菱)が水面に広がり成長することから、菱型は「子孫繁栄」「長寿」に繋がるという意味で江戸時代の頃よりお餅にし、飾る様になりました。
餅の3色は決まっており、解毒作用のあるクチナシの実を利用した赤は「魔除け」、血圧降下作用のある菱の実を利用した白は「子孫繁栄」と「長寿」を、増血作用のあるヨモギの葉を利用した緑は「厄除け」を願う色です。
6. ひなあられ
7. ちらし寿司
縁起物の海老(腰が曲がるまで長生きを祈願)、レンコン(先の見通しがたつように)、豆(健康でマメに働けるように)などを具材として、すし飯に混ぜたり載せたりします。彩りが良いために日本では万人に好まれます。
8. 桃の節句
ひな祭りは「桃の節句」や「弥生の節句」とも言われます。ひな祭りを象徴する桃の花は、開花とひな祭りの時期が重なるというだけでなく、中国では長寿のシンボルとされ、門にさしておくと邪気を払うという言い伝えから、祝い花として使われるようになったそうです。
9. 日本各地の「ひな祭り」
鹿児島の「ひな祭り」は、旧暦の3月3日、つまり4月3日に行われることが多く、この「月遅れ」の習慣は「七夕」でも同様です。
また、毎年薩摩藩島津家の別邸仙巌園では、「薩摩ひな祭り」つまり「流し雛」が行われます。身代わりの人形(ひとがた)を輪切りにした竹の節の舟に乗せ、川に流し「身のけがれ」を払い、女性の幸せを願います。
日本各地に様々な形態のお祭りがあり、その数は分かっているだけでも15ほどあります。
「ひな祭り」の楽しみ方は時代とともに、豪華な雛人形から素朴な折り紙まで、また食事だけを楽しんだりと、個人がそれぞれのやり方で楽しむようになってきているようです。
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本記事の情報は、取材・執筆当時のものです。
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