黒豚だけじゃない!「黒」がいっぱい、鹿児島の黒文化
ライター komatsu
2021.11.1 (Re:2021.12.24)
鹿児島には数多くの特産品がありますが、その中に鹿児島の「黒文化」があります。黒潮によってもたらされた「黒」の恵みを紹介します!
■目次
1. 鹿児島黒牛
Picture courtesy of ©︎K. P. V. B
鹿児島県は黒毛和種牛の飼養数が全国一です。中でも鹿児島のブランド牛である「鹿児島黒牛」は、2017年に牛の品質を競う大会「全国和牛能力共進会」で日本一に輝くなど、飼育数だけでなくその品質も日本一です。
2. かごしま黒豚
Picture courtesy of ©︎K. P. V. B
約400年前に鹿児島に琉球から持ち込まれた黒豚は、古くから鹿児島の人にとって大切な食料でした。かごしま黒豚は全てバークシャー種で鼻と四肢、尾の6箇所に白い部分があることから「六白黒豚」とも呼ばれます。
かごしま黒豚は、柔らかさや歯切れの良さ、うまみが特徴です。
豚の飼養数も鹿児島県が全国一です。
3. 黒さつま鶏
黒さつま鶏は、15年前に鹿児島の新しい「黒」として生み出されました。日本三大地鶏の1つであり、国の天然記念物でもある「薩摩鶏(さつまどり)」を父に持つ、鹿児島の新しい地鶏です。適度な歯応えと旨味があり、火を通しても固くならず、冷めても美味しいのが特徴です。
4. クロマグロ
最高級のマグロと称されることも多いクロマグロ(ホンマグロ)は、脂のノリが良く、とろけるような舌触りの良さが特徴です。
奄美大島や甑島に養殖場がある鹿児島県は、全国2位の生産量を誇り、クロマグロの養殖も盛んです。
5. 黒酢
その名の通り黒色の酢で、玄米や大麦を原料にしています。黒酢は屋外に置かれた壺に仕込まれ、昼は南国鹿児島の強い日差しを浴び、夜は錦江湾からの冷たい海風にさらされながら、1年以上かけて発酵し、酢になります。
通常の酢より長い時間をかけて熟成されるため、豊富なアミノ酸を含み、健康食品としても注目されています。
6. 黒麹(焼酎)
画像提供:西酒造株式会社
鹿児島の芋焼酎は、すっきりとした味わいが特徴の白麹が使われることが一般的でしたが、近年では「黒麹」や「黄麹」も使われ、焼酎の味や香りにも多様性が出てきました。
黒麹が使われた焼酎は、芳醇な香りとコク、旨味が特徴です。
画像提供:西酒造株式会社
ラベルが黒いものや焼酎の名前に「黒」の付く商品が、「黒麹」が使われている目安になります。
7. 黒糖焼酎
黒糖焼酎(奄美黒糖焼酎)は米麹とサトウキビの絞り汁から醸造される焼酎です。酒税法に関連した国税庁の通達によって、鹿児島県の奄美諸島のみで造られています。
ほんのり甘く優しい風味が特徴で、あっさりしているので飲みやすいのも特徴です。
8. 黒砂糖(とんこつ・げたんは・ふくれ菓子)
鹿児島県の奄美大島や種子島などで作られるサトウキビの絞り汁を加熱、濃縮し冷やし固めた砂糖です。栄養補給に食されることもあるほど、ビタミンやミネラルが豊富です。カラメルのような深いコクと風味が特徴です。
Picture courtesy of ©︎農林水産省
とんこつ(豚の三枚身や骨付き肉を黒砂糖や味噌、生姜、焼酎で煮込んだもの)やげたんは(生地としっとりしたコーティングに黒糖が使われている三角形の焼き菓子)、ふくれ菓子(小麦粉、重曹、黒糖などで作る蒸し菓子)など黒糖を使った郷土料理や郷土菓子も多くあります。
9. 黒大島(大島紬)
Picture courtesy of ©︎K. P. V. B
大島紬は奄美エリアに生息する「テーチ木」(シャリンバイ)の焙煎汁と鉄分を豊富に含む「泥土」で糸を染めてから織られた絹100%の織物です。鹿児島県の奄美諸島のみで作られ、伝統的工芸品に指定されています。
Picture courtesy of ©︎K. P. V. B
深い黒を基調に奄美の自然をモチーフにした文様、緻密な染めと織が特徴です。優雅な光沢があり、しなやかで軽く、シワになりにくいという特性があります。生地に裏表がないため、150年から200年は着られる丈夫な織物と言われています。
大島紬は、結城紬、塩沢紬と並んで日本三大紬として知られていますが、ゴブラン織(フランス)、ペルシャ絨毯(イラン)と共に世界三大織物とも言われています。
10. 黒薩摩(薩摩焼)
Picture courtesy of ©︎K. P. V. B
鹿児島県には伝統的工芸品に指定された陶磁器「薩摩焼」として、「白薩摩」と「黒薩摩」の2種類があります。白薩摩は白い素地に豪華絢爛な模様が特徴で、藩主専用の製品でした。一方黒薩摩は主に日用品として作られ、庶民的な素朴さや力強さが見られます。
「黒じょか」と呼ばれる土瓶は特産品の焼酎を飲む時に、熱に耐えられる特徴を活かして、直燗用酒器として使われています。
薩摩焼(白薩摩)は1867年のパリ万博に出展され、ヨーロッパで高い評価を受け、「SATSUMA」として世界に知られるようになりました。
11. 薩摩切子(黒切子)
画像提供:薩摩びーどろ工芸株式会社
薩摩切子は1850年代以降、約20年間薩摩藩(現鹿児島県)で生産されていたカットグラスで、一度製造、技術が途絶えましたが、約100年後に復興の動きが出てきて、現在は復刻生産されています。
Picture courtesy of ©︎K. P. V. B
「薩摩の紅ガラス」と呼ばれ、薩摩切子を代表する色となった紅をはじめ、藍や緑、黄、金赤、紫に加え、近年黒も開発されました。
画像提供:薩摩びーどろ工芸株式会社
薩摩切子は透明ガラスの上に色ガラスを被せた「色被せ(いろきせ)」ガラスにカットを施し、そこに生まれる「ぼかし」と呼ばれる独特のグラデーションが魅力です。
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Written by komatsu
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